第3章 番外編
「ちょ、待ってください!」
ベッドに投げ込んだ後、その衝撃で我に返ったのだろう…ユイは服を脱がせようとする俺に制止をかけた。
「なんだ。まだ何かあるのか」
「い…いやいやいや!! まだ気持ちの整理がつかなくて……えっ…貴方俺が好きなの…?」
何を今更…と俺は呆れたようにため息をつく。こちらとら、昨日の夜から準備してきたんだぞ。いい歳したおっさんが、恋愛に浮かれて自分で準備するなんて普通なら出来ないことだ。
「え、だって……貴方キバナさんが好きなんじゃ……」
彼のその言葉で俺の堪忍の袋が切れた。俺はベッドにユイを押し倒した。
「なんでそこでキバナの名前が出てくるだ?」
「だ…だって…そういう関係じゃ……」
「馬鹿を言うな。キバナと俺はライバル同士だ。それ以上でもないしそれ以下でもない」
そう言えばと、ふと昔に返ってみると、彼は1度俺がいる時にキバナの家に突撃したことがあったな。あれをまだ引きずっているのか。
「俺がこういうことをするのは君だけだ。俺が好きなのも君だけ。分かったか?」
「………は…はい……ワカリマシタ…」
顔を真っ赤にさせ、カタコトで話すユイ。俺は彼の頬にキスを1つ落とし、再び服を脱がせ始めた。
「ちょっ!? えっ!?」
「ほら、君も脱がせたらどうだ? 得意だっただろう?」
「いつの話ですか!!」
観念したのか、俺の方に手を伸ばすユイ。たが、いつまで経ってもうろうろする手つきに、俺は笑いながら彼を引き寄せた。