第2章 ダンデ編
「貴方は覚えていないでしょうけど、俺にとっては……あの約束だけが貴方との繋がりでした!!!! 今更…こんなことを言うのは貴方に迷惑がかかると思いましたが……貴方が言うのなら、大人になるまで待ちます!!!! だけど、俺が大人に近づいても、貴方との距離は変わらないまま。俺は子供だから…不安なんです。だから、確かな物が…約束が欲しい。俺が大人になってくれるまで、待っていてくれるっていう約束が」
早口で無言で見つめる俺を見て、焦るように頭をかくユイ。…俺が君の言葉に何も返さずに去ると思っているのか? ユイは震える瞳で俺を見る。
「………好きです。貴方が一番好きなんです。貴方が他の誰かの物になってしまうことが耐えられない…。貴方に守られてばかりで、調子に乗って、貴方の優しさに甘えて…。何度も諦めようと思いました。でも駄目で……貴方の姿を探してしまって……」
ボロボロ涙を流しながら、それでも拭うことなんてせず必死に言葉を紡ぐ。気づけば俺の方が彼の方に歩み寄っていた。
「ダンデさん…ごめんなさい…諦めることができないんです。どうしようもなく貴方が、好きなんです。……嫌いに…ならないで…」
先程まで、俺の相棒を打ち負かした少年と同一人物だと思えないなと、俺は苦笑する。俺はハンカチで彼の涙を拭った。顔を上げた彼と目が合い、キラキラと火花が散った。気づけば俺は口を開いていた。