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バトルをする君が好き

第2章 ダンデ編


今日はガラルにとって、歴史的な瞬間となるだろう。俺は会場の熱気を目にしながらそう思った。目の前には、もう俺と顔を逸らさないユイがそこにいた。見ない間に、凛々しい顔つきになった。彼の中で何か決心がついたのだろう。俺は大きく口を開けた。

「昨日は手間をかけてしまい、すまなかった。心配してくれたようで有難い。だが、遠慮する必要は無い!! 俺もポケモンたちも万全だ!! 全力でかかってこい!!!!!!!!」

ぐっと俺の視線をしっかりと返すユイに俺の心は踊った。楽しいバトルになる予感しかせず、逸る心を抑えながらまずは1匹目のポケモンを出した。




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ドーーーン!!!!!!

目の前で大きな炎が俺たちを包み、目を開けると、ダイマックスが解けたリザードンがボールへと戻っていく所だった。

「……チャンピオン…タイムイズ…オーバ…」

会場の大きな盛り上がりが遠くに感じた。ボールを見ると、相棒になって数十年見たことの無い瀕死の状態のリザードンがいる。そして、ようやく俺は自分が敗北したのだと理解出来た。視界が歪み、俺は帽子を取り顔を隠した。だが、それも一瞬…すぐに顔を上げ、呆然とするユイを讃えた。

「最高の試合に…ありがとう、だ。おめでとう。チャンピオン」

まだ自分の勝利を受け入れられないユイの元へ行き、その手を取る。そして、力強くその手を握った。

「よく俺を負かしてくれた!!」

すると、ユイは俺に確かめるように口を開いた。

「俺………ダンデさんに…勝ったんですか…?」
「あぁ!! 見事、君は俺を打ち負かした!!!! いい試合だった!! 俺も心が震えたよ!!!!」

俺がしっかりと手を握ると、弱々しかったが手を握り返すユイ。俺は微笑み、彼の背を叩いた。

「さぁ! チャンピオン!! 皆に何か言ってやれ!! ガラル中が待っている!!!!」

そして、前チャンピオンとなってしまった俺はくるっとスタジアムから姿を消そうと歩き出した。そんな俺を呼び止めたのは、他でもないユイだった。

「ダ……ダンデさん!!!!!!!!」
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