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バトルをする君が好き

第2章 ダンデ編


無言でスタスタと進むユイ。俺は今自分がどこにいるのかも分からないため、彼に声をかけた。

「ユイく…」
「俺が子供だからですか」

俺の言葉を遮るように彼は言った。俺はなんの事か分からず首を傾げた。

「すまない。何の話か俺には…」
「キバナさんならいいんですか」

再び、俺の話を遮るユイ。いつの間にか彼は歩むのを止めていたが、腕はしっかり掴まれたまま。…ユイが子供なのはもちろんのことだが、それとキバナがどう係わっているのかが分からない。俺は益々首を傾げた。

「ユイくん」
「あぁ、そうか。同性だと都合がいいですもんね。家に行ってもマスコミに騒がれることありませんし…大人の関係って奴ですか」

名前を呼んでも、彼は言葉を止めようとはしない。掠れた声で早口に言葉を紡ぐ。

「でも、その割にはダンデさん元気ですよね。キバナさんが下なのかな…って、そんなわけないか。あれだけ入れられて喜んでいたダンデさんが、今更入れる方になんてなれませんものね」
「ユイくん。何を言って……」
「ってなると、キバナさんで満足できているんですか?」

こちらを振り返ったユイは、恐ろしいほど表情がなかった。ユイは口元だけ弧に描くと、俺に向かって手を伸ばす。

「キバナさんはご存知なんですかね。あなたが大好きなところ」

するっと彼の手が俺の腕を触る。その触り方に思わず俺は唇を噛んだ。俺の様子を見て、彼の口元は益々弧を描いた。

「こことか」

するっと滑らかな円をなぞるように彼は俺の胸部を触る。段々自分の息が乱れるのが分かった。

「こことか」

そのまま腹部へと滑り下り、臍の下を1回だけ優しく撫でた。体が軽く震え、体中に熱がこもる。

「そして、こことか」

最後に、そのまま後ろへと腕を持っていき、俺の背をそっと撫でる。そして、俺の背に腕を回し、自分の体と密着させた。

「キバナさんに教えてあげましたか?」

ユイが俺を見上げ、茶色の瞳が俺を映す。ユイはそのまま腕に力をこめ、俺を抱きしめた。
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