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バトルをする君が好き

第2章 ダンデ編


次の日、俺が目を覚ますと、隣に彼はいなかった。

それから、俺は仕事が忙しく各地飛び回り、ユイは最後のジムチャレンジに苦戦しているようで、俺は彼と顔を合わせることが無かった。1度、ナックルシティで仕事があった時、大勢のファンの間からユイの後ろ姿を見たのだが…彼の隣にはホップがおり、2人は楽しそうに会話していた。ふと、夢の中で笑う少年の顔が浮かび、もうあの時のような笑顔を向けてはくれないだろうと少しだけ寂しくなった。まぁ、俺は自身に本当の関係に戻ったのだと言い聞かせ、仕事に打ち込むようになった。

そんなある日、俺はキバナから連絡を貰い、久々に彼の家へと足を運んだ。俺の顔を見るなりキバナは先程あったバトルについて話し始めた。

「久々に震えたぜ!! 最初に見た時よりも成長してやがる!! 特に、あの双子!! あいつらは決勝に進むぜダンデ!!」

ジムチャレンジ最後の関門であるキバナを打ち破ったチャレンジャーは、4人と聞く。今年のチャレンジャーは優秀だな、俺たちのジムチャレンジの時代に、彼らと戦ったら果たして勝てたか…など話に花を咲かせていると、いつの間にか夜がふけていた。

「やべ!! 俺様、明日CM撮影があったんだった!!」
「俺も委員長から呼び出しがあったな。そろそろお開きとしよう」

そして、俺は相棒のリザードンを出す。この相棒がいなければ、俺は自分の家にさえ帰れない。リザードンは翼を広げ、俺の方を見る。

「夜遅くにすまないな」

ポンポンと鍛えられた身体を触ると、ニヤっと笑うリザードン。その顔は仕方ねぇ相棒だなと言っているかのよう。キバナがクククと笑う。

「相変わらず、お前の相棒はイケメンだなダンデ」
「あぁ!! 俺のリザードンは世界一だ」

そして、彼と別れの挨拶をし、帰ろうとするとふとリザードンが翼をはためかせるのを止める。

「おっ!! どうしたんだこんな夜中に」

そこにいたのは、肩で息をしたユイだった。
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