第1章 kaho様リクエスト
真っ暗な視界の中何処からどう触れられるのかが分からない。身構える時間もなく不意に腹へ滑る三本の指先に身体が揺れた。肌に当たるか当たらないか微妙な触れ方で、弛緩に上へと滑っていく。こそばゆいのか、胸へ向かって来る掌に自ずと身体が期待しているのか最早自分では分からない。ただ、背筋が甘く痺れる感覚に呼気が荒くなる。
「っは、ぁ……うぅ…目隠し、取って下さい…!」
「断る。も興奮しているのだろう。呼吸が乱れているよ。」
「そんなんじゃ…んあっ!」
胸まで指先が辿り着く直前、手が離れた。けれど直後に両側の突起をキュッと摘まれ思わぬ刺激に嬌声が漏れる。こんな緩急つけて、身体を弄ばれたら持つ気がしない。
それに、性欲処理の為ならばこんな事しないで早く挿れて終わらせてくれれば良いのに。
声を隠そうと片手の甲で口を塞ぐ。藍染様が、突起を指先で転がし優しく摘んで捻る度腰が跳ねた。
「ンッ、ふ……ぅ、ん……!」
「今更声を隠す必要など無い。私以外誰も聞いていないのだから。」
「あ、やだ…あぁっ!」
両手を取られ頭の上へ持ち上げられる。私の手首は藍染様の手によって呆気なくベッドに縫い付けられた。しかも、片手で。男なのだから私より手が大きいのは当たり前だとは思うが、こんなにあっさり封じられてしまうと悔しい。
そんな私の思いも藍染様は知るはずも無く、突然下着が袴ごと膝まで引き下ろされる。太過ぎず、骨張った指が下肢の中心を撫でた。たったそれだけなのに、卑しく響く水音に頬がカッと熱くなる。
「…随分濡れているね。無理矢理喉奥まで犯されて感じたのかい?それとも、目隠しされた状態で身体を嬲られる事に悦びを覚えたか……いや、両方かな?」
「あっ、あ…音、出さないで下さっ…!」
「それは難しい。音が出る程濡らしているのは君だろう、。」
「ひぁっ!」
耳元で藍染様の低い声が鼓膜を揺らす。耳介へ音を立てて何度も口付けられ、舌が耳孔を舐る。秘部の表面を往復する指が時折陰核を弾き、身体を芯から溶かすように与えられる愛撫に心が置いていかれそうだ。
気持ちいい。
この人は、私が感じる場所を、触り方を、なんでも知っている。彼の指先に、堕ちてしまいそうで怖い。
本当はそんな理由でここに来るのが嫌になったのは、いつからだったっけ。もう分からない。