第1章 a pretext
「それで俺がお前を回収した」
「は、はぁ...」
己の身に起こった信じ難い事実。
受け止めきれない...
記憶や意識はなくても
自分のしでかしたことに罪悪感を抱く。
「リヴァイ、...ごめん。」
「あ? 何で謝る。」
「色々迷惑かけたし、そのっ...」
「記憶が飛んでるんじゃ仕方ねぇだろ。
今回のことは完全にあの馬鹿のやりすぎた研究の所為だからな。」
「でも...」
「まぁ、また酔っ払いみてぇにフラフラされたら困るからな。」
リヴァイは私の手枷を見やる
「暫くは俺の監視下に置く。いいな。」
僅かに口角を上げるリヴァイ
その瞳の奥は何かを企んでいるように揺れている
「ちょっと待って!もうその変な薬品の効果も切れてるみたいだし。こんな事しなくてもっ!」
大丈夫だからもう外してよ と手枷を引っ張ってみせるが一向に外してくれる気配はない