第1章 a pretext
リヴァイは口をへの字にしたまま
暫く黙り込んでいたが
視線だけ私に向けて問いかける
「心春、昨日の事覚えてねえのか?」
「昨日...?」
まだ回転の鈍い頭を必死に働かせ
昨日の記憶を辿る。
昨日は確か...
午後の立体機動の訓練が終わった後ーーー
書庫の掃除の手伝いをしていたらーーー
ハンジさんのいる研究室から
爆発音が聞こえたからーーー
急いで研究室へ駆けつけてーーー
記憶の欠片を一つづつ辿っていくが
ここで途絶えてしまう
どうしてもここから先が思い出せない
うんうん唸っていると
リヴァイが呆れたように溜息をつく
「お前本当に記憶がぶっ飛んでるみてぇだな...。分かった。」
昨日何があったか教えてやる。と
ベッドから立ち上がると昨日の出来事を話し始めた。