第4章 ◆例の部屋(鶴丸国永)
体を繋げようとしているのだから裸になることは容易に予想がつくはずだが、いざ鶴丸がまだ主の下半身を隠している着物を取り払おうとすると、彼女は手で止めた。
「ほんとに脱がせちゃうんですか…?」
「…主、これ以上焦らされたら限界なんだが」
鶴丸は少し強引に着物を引き下げ、彼女の胸から足先まで素肌にした。
刀の身だったころから人の身になった今でも、鶴丸は美しいと言われてきた。
白く中性的なフォルム、それが美しいと言われる所以であることは彼も承知していたが、自分のそれは本物の女である主には到底敵わないと思い知った。
どこもかしこも柔らかく、明らかに自分とは違うしなやかな骨格。
男をここまで欲情させる身体を彼女は着物の下に隠していたのかと思うと、鶴丸は人の身の神秘を感じていた。
「そんなに見ないでくださいっ…私は皆さんと違ってスタイル良くないから…」
「そんなことない…主…すごく綺麗だ…」
目をギラギラさせながらそう呟く鶴丸に彼女はギョッとしたが、それでも裸を見ながら綺麗だと言われて嬉しくないわけはない。
いつもと違う雄をむき出しにしてくる彼に、彼女はだんだんと攻略されていく。