第4章 ◆例の部屋(鶴丸国永)
三度目。今度は主も大人しかった。
─ちゅ…ちゅぱ…─
「…ん…ふぁ……」
角度を変えながら時折息継ぎのタイミングをくれる鶴丸の口づけに、主は気持ちよさを感じていた。
それを伝えようとはしないものの、体は正直で、我慢できずに骨抜きになった上半身が完全に鶴丸にもたれかかり、彼もそれを腕で受け止めながら口づけを続けていた。
「…主っ…」
鶴丸はたまらず、彼女を抱き上げた。
「きゃっ…今度は何するんですかっ…!?」
「向こうでやるぞ! それ!」
少し緊張した空気を軽くしようとしたのか、鶴丸は彼女をベッドにコロンと放り投げる。
何度かバウンドしつつも彼女の体はベッドの中心に綺麗に仰向けとなり、鶴丸もベッドに上がると膝で彼女の側まで近づいていく。
迫ってくる鶴丸がいる視界なんてもはや自分のものではないのでは、と混乱状態の主は、ふわふわのベッドの上でまた震えていた。
「あ、あのっ…やっぱりあと二時間ぐらい待ってもらえませんかっ…」
「はあ!?」
「心の準備がまだできてなくてっ…」
「さっきしたろ! 無理だ無理!」
勢いよく却下した鶴丸は彼女の上に覆い被さった。