第4章 ◆例の部屋(鶴丸国永)
二回目の口づけは長かった。
彼女に誤解されたままでは困ると思った鶴丸は、今度は思う存分唇を貪ってやった。
ついでにちょっと舌を入れてみると主は「ん"っ!?」と変な声を出したが、それをチロチロと続けてやるとやがて口が無防備に開いていく。
「はぁ…ぁ…」
─ちゅ…ぴちゃ…─
わざと水音を立ててみると、彼女は恥ずかしさに耐えきれずにドンドンと鶴丸の胸板を叩き始めた。
「……何だよ」
「やりすぎっ、やりすぎですっ」
濡れた唇を手で押さえながら、主は真っ赤な顔で訴えた。
しかし彼女は唇を押さえはするものの、拭いはしない。
その反応に、鶴丸は“いける”と前のめりになる。
彼女から夜伽の許可は出ているものの、鶴丸にとっては主が嫌々でないかどうかも重要だったのだ。
今の仕草で、本気で嫌がってはいないと確信した。
「これくらいするんだぜ、夜伽って。知らなかったのか?」
得意気にそう告げた後、鶴丸はテレビを消し、さて続きをしようと再度彼女に迫る。