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【刀剣乱舞】*恋みくじ*【R18短編集】

第3章 ◆再会(大倶利伽羅)



そんな考えが顔に出ていたのか、大倶利伽羅さんは言った。

「人の世話ばかりするところは、変わってないんだな」

私は顔が熱くなった。
前世の話をされると、ドキドキする。

「そんなことありません…大倶利伽羅さんにだけですよ」

──あ…

つい雰囲気に飲まれて本音を言ってしまい、私はおそるおそる、彼の反応を待った。

しかし、そこでやかんが鳴った。

しばらく鳴って、彼はそれを止めに立つと、やかんはそこに置いたままで戻ってくる。

途中で床に置いてある仕事用のカバンに立ち寄り、財布を持って私の隣へ座った。

するとそこからお札を一枚抜いて、私の前のテーブルに置く。

折り目のついた、一万円だ。

「……あの、これは…?」

「何もしないつもりで泊めた。…だが、今は我慢できそうにない」

──えっ…

すぐに彼の顔を見ると、いつもと変わらぬ険しい表情で、まっすぐに私を見ていた。

私は混乱気味に頭を整理し、それと同時に彼から後退りをする。

緊迫した空気のなかで、私はなんとか言葉を出した。

「………つ、つまり…一晩、これでどうか、ということですか…?」

一万円で、一晩。
私は本気でそういうことかと思ったのだが、それを聞いた大倶利伽羅さんは血相を変え、「違う!」と言いながら一万円札を“バン!”と叩いた。

「タクシーで帰れと言っている! ここにいられるとあんたに手を出しそうだ!」

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