第3章 ◆再会(大倶利伽羅)
だからこうして記憶を持った仲間に再会できて、とても嬉しい。
鶴丸さんと燭台切さんも今は違う名前が社員証に書いてあるけれど、容姿は当時のままだった。
「とりあえず、今日飲みに行こうぜ主。積もる話はそこでしよう」
私が笑顔で頷くと、鶴丸さんは付箋に何かを書いて渡してきた。
「これ。俺のIDだ。仕事が終わったら知らせてくれ」
「わかりました」
「あ、そうだ主。一応伽羅ちゃんにも声をかけておいてくれるかな」
「はい」
「絶対来ないだろうけどな」
鶴丸さんの嫌味を最後に彼らとはここで分かれ、私はシステム部へと急いだ。
───システム部で挨拶を済ませて案内されたデスクへ向かうと、そこに大倶利伽羅さんがいた。
「……っ」
息を飲んだ。
私の隣のデスクに座ってパソコンを睨んでいる彼は、まぎれもなく大倶利伽羅さんだった。
褐色の肌に、鋭い目つき。少し癖のある黒い髪。
今の彼は黒のスーツを着て、パソコン用のメガネをかけ、ちらりと見える手首には少し大きめな腕時計をしている。
タイピングをしている大倶利伽羅さんは画面に夢中で、私には気付かない。
「………あの」
掠れた声をやっとかけると、彼はちらりと私を見て、すぐに画面に目を戻す。
しかし目を見開いてからもう一度、また私を見た。