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【刀剣乱舞】*恋みくじ*【R18短編集】

第3章 ◆再会(大倶利伽羅)



名前を聞いた瞬間に思い出す、褐色の肌の彼。

ううん、思い出したんじゃない。
ずっと忘れられなかった。

私はうるさいくらいに鳴り出した心臓を押さえながら話を聞く。

「うん。伽羅ちゃんも僕らと同期で、システム部の主任だよ」

「相変わらず付き合い悪いけどな」

私は一番気になっていることをすぐに聞こうとしたけど、燭台切さんは私の気持ちを読み取ったのか、聞く前に答えてくれた。

「大丈夫、記憶もあるよ。……主のことも、ちゃんと覚えてる」


うそみたい…大倶利伽羅さんと、また逢えるなんて…。




──私は、前世では審神者だった。

当時、近侍をしてくれていたのが大倶利伽羅さんで、彼はクールなところがあったけど、本当は優しく、いつも私を気遣ってくれていた。

私はそんな彼のことが、ずっと好きだった。

しかし、私の本丸に待っていたのは、悲惨な結末。

随行軍の奇襲により本丸は崩壊し、すべての刀剣男士が破壊、審神者である私も命を落とすこととなったのだ……───


──それが、私の前世での記憶。

転生した現代でも、不思議とその記憶は引き継がれていた。

そして驚いたのは、一緒に戦ってくれた刀剣男士たちもこの時代に転生していること。

実は今までにも数人見かけている。

テレビでよく見る話題のプロ棋士は三日月さんだし、蛍丸くんは有名子役スターになっている。
それだけじゃなくて、満員電車に長谷部さんがいたこともあるし、映画館で泣いている山姥切さんを見かけたし、私の大学では歌仙さんが日本文学の教授をしていた。

みんな今の名前は違うけど、容姿は同じ。
それに見た目だけじゃなくて、惹き付けられる何かがあった。

しかし残念ながら彼らに前世の記憶はなく、関わり合うことはできずにいたのだ。

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