第2章 ◆大切な人（膝丸）

膝丸さんの感じている呼吸が、また背中をくすぐった。
左右にはつっかえ棒の役割をした彼の腕が私を囲っていて、動くたびにその腕や手の甲の血管にくっきりと筋が張っているのが見える。

─ぱちゅ…ぱちゅ…─

「あっ…あっ…あっ…んっ…」

男らしい腕にキュンとして、そこに私の手を絡め、快感の振動に耐えていた。

すると彼にも何かのスイッチが入ったようで、彼の体は私の背中に沈み、手と手を絡ませながら絶え間なく奥を突いてくる。

空間のなくなった私たちの体はぴったりとくっつき、肌の感触が生々しく擦れあった。

「はぁっ…はぁっ…膝丸さんっ…気持ち良いっ…」

「俺もっ……たまらんっ……」

ハア、ハア、という激しい呼吸が耳元で聞こえ、それを聞いていると私の気分も高揚してくる。

ナカを何度も擦られても、私の蜜で絶え間なく潤い続けているせいで、そのねっとりとした摩擦の快感はまったく衰えることなく続いている。

恋人になってから何度も体を重ねてきたせいで、この体はすっかり膝丸さんに教え込まれてしまった。

膝丸さんに触れられて、こうしてナカを突かれるだけで、私の意思とは関係なく蜜で溢れてしまうのだ。