第2章 ◆大切な人(膝丸)
─ちゅぱ…ぴちゃ…─
激しい口づけをしながら、膝丸さんは私の浴衣を剥きだした。
長い脚で私の体を押さえつけ、今日一日の不満を強引な動作でぶつけてくる。
いとも簡単に丸裸にすると、私の胸を鷲掴みにした。
「あっ…」
大きく円を描くように揉まれ、まるでいじめられているようにさえ感じる。
怒ってるのかな…。
「ごめんなさい、膝丸さん…」
膝丸さんの気持ちをちゃんと分かっていなかった。
そのことをきちんと謝ってなかったと思い、感情で迫る彼を受け入れながら必死に謝罪をする。
すると膝丸さんは一度止まり、眉を下げた表情で私の頭を撫でてくれた。
「俺のことを思ってのことだと分かっている。でも主は、俺と離れても何も思わないのか?」
「そんなわけありません。…膝丸さんがそばにいなくて、すごく寂しかったです」
「…俺だって同じだ。主のそばにいたいに決まっている」
嬉しくて泣きそうになると、膝丸さんは顔を沈め、初めて甘い口づけをしてくれた。
胸を揉んでいた手も、ゆっくりと労るような揉み方に変わっていく。
「…膝丸さん…」
彼の鋭い目とスタイリッシュな身のこなしは、このときだけは優しく柔らかいものになり、温かく私を包みこんでくれる。
大好きな膝丸さん。
愛されてるのが分かるたび、幸せな気持ちでいっぱいになる。