第2章 ◆大切な人(膝丸)
「今日一日避けられている気がして、兄者どころではなかった! 何とか理由を見つけて主に会いにいかねばとっ…このままでは主に嫌われてしまうのではないかと、気が気ではなかったんだぞ!」
膝丸さんは私に雪崩れかかり、壁から床へと組み敷いて覆い被さってきた。
避けるようなまねをした私を責めるように、彼は強引な口づけをして気持ちをぶつけてくる。
─ちゅっ…ちゅっ…─
「…んっ…」
「今夜は主が分かるまで、離さんからなっ」
「ふぁ…あっ…」
お仕置きような口づけに、私はときめいて仕方なかった。
今日はずっと、体が膝丸さんを求めていた。
顔を見るたびに胸が高鳴って、抱かれたいと思うのをこらえていたのだ。
「膝丸さんっ…」
「主っ…」
熱を帯びた声で彼に甘えると膝丸さんはそれを開始の合図とし、私を抱き抱えて布団の上に放った。
そして間髪入れず、襲いかかるように私の体の上に乗ってくると、すぐに口づけの続きをする。