第1章 ◆若返り(三日月宗近)
されるがままに受け入れていた主は、ぼんやりと三日月の顔を見つめていた。
蒼暗い彼の髪や、涼しげな瞳、伏せられた睫毛が、こんなに近くで揺れている。
「…三日月さん…綺麗…」
彼女はつい、そう呟いていた。
三日月は指の動きを止め、彼女の顔を見る。
主の潤んだ瞳には、もうこの先のことは三日月に委ねようという、彼への信頼が表れていた。
それは三日月の心を、何より震わせた。
「…主。…煽るな…」
彼は消え入りそうな声だった。
神妙な眼差し、額から落ちてくる一筋の汗。
その汗が顔から流れ落ちたとき、それが彼の理性が途切れる合図だった。
彼は口づけし、舌をねじ込んでから、主の体を押さえつける。
「もう待てぬっ…。悪い、入れるぞっ」
指は抜かれ、すぐに彼の腰が迫ってくる。
彼女はもう覚悟を決めていた。
痛くともかまわない。
三日月が相手なら怖くない。
─ぐちゅ…─
「……んっ…あ…」
先っぽが入る。
主にとってはこれだけではよく分からない感覚だったが、挿入している三日月にとっては、思わず声を出すほどの快感だった。
彼は徐々に根本まで収めていく。
「……あるじっ…良いなこれは…さすがに、余裕がない…」
それは『動いていいか』と許可を求めたのであり、彼女もそれを察して頷いた。