第1章 ◆若返り(三日月宗近)
(私、別に可憐な乙女じゃないのに…)
今夜は子供扱いはしないと言っていたのに。
三日月の思いやりだと分かってはいるが、彼女は抱き締められながら何もされないなんてこれこそ子供扱いだとむくれ始める。
それに気づかず呑気に眠ろうとする三日月に、彼女はぽつりと呟いた。
「…やっぱり若くないじゃないじゃないですか」
三日月は目を開く。
「……何?」
「普通、若い男の人ならこういうとき、もっと…色々するんじゃないですか? 何もする気にならないなら、やっぱり私を子供扱いしてるか…三日月さんが若くないんです」
胸の中に収まって顔が見えないのをいいことに、彼女はどんどん皮肉を言った。
自分に魅力がないのかとも思ったが、そう考えてしまうと泣いてしまいそうだから、彼女は考えないようにしている。
「…ほう?」
「それだけですっ。おやすみなさいっ」
主はふて腐れて、三日月の胸に背を向けた。
「…っ…」
すると、硬くなった彼の股間が、ちょうど尻に当たったのだ。