第7章 カヴィン|恋人なのに
レオの思い出か…
心地よい寒さだ
雪も綺麗だから私はここが好きだ
取り敢えず、初期位置を知らせる為に
解読に集中して!と送る
それぞれから、返事が返ってくる
エマとカヴィンは近いみたい…
それにエマの方にハンターが近い…
その後の光景は何となく予想出来る
それを見たくなくて、遠くの暗号機を
1人で解読する
解読が半分くらいいった頃に
大きな鐘の音が響く
エマがダウンした
すぐさま、カヴィンが
動かないで、手伝うよ!と送っている
あぁ、やっぱり…
いつもは逃げなきゃいけないと思うのに
今回はどうでもいい
エマがハンターの風船に
吊られた状態から解除され
ありがとう、と送っている
暫くエマを担いだまま、
チェイスしていたであろう彼らを
ハンターが諦め、瞬間移動する
ドクンドクン、との心臓が脈打つ
私の方に来たか…
相手はリッパー
どこまで逃げ切れるかな
暗号機はあと2台
「今度は貴女でしたか、」
なんて鼻歌を歌いながらこちらに近づいてくる
『ええ。よろしくね、リッパー
私、今日機嫌が悪いの。
だから意地悪しちゃうかもしれないわ』
そう言いながら、上手く攻撃を躱し
板を当てる
「…ぐっ」
気絶している間に違う場所へと移る
『ねえ、リッパー。
貴方も誰彼構わず女性の事を褒めるのかしら?』
2度目の板を当てながら、リッパーに問う
「…くっ
どうやら、機嫌が悪いのは本当のようですね…。
それと、私は誰彼構わず褒めませんよ。」
突然何です?と不思議そうなリッパーに
説明するつもりはなかったが
愚痴をぶつける
『私の周りで、誰彼構わず女性の見た目を
褒める人がいるの。
あと、私がいるのに知らんぷりよ。
他の人のお尻を追いかけるのが
忙しいみたい…っ!』
3度目の板当てをしようとしたが、リッパーに
手を読まれ失敗して、返り討ちにあった
「そう何度も同じ手は食らいませんよ、」
『そのようね!』
ダメージを受けながら、次の板場へと走る
残り暗号機1台、そして寸止めも完了しているようだ
苛立ちのせいか、冷静に読み合いが出来ず、
リッパーの攻撃をまた喰らう
ブザーが鳴り響き、通電
リッパーの赤い目を見て、
これは逃げれないなと悟る