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甘美な林檎パイを独り占め

第5章 リッパー|エッグノッグ




が、一向に痛みは来ない

恐る恐る目を開けると
私を腕で支えてるリッパー

『ご、ごめんなさい!重かったよね…』

抱えられた事が恥ずかしくて
慌てて起き上がった

…つもりだったのに
ガシッと私を掴んで離さないジャック

その所為で
未だに彼に体重を預けたままの状態だ

『もう大丈夫だからっ!』

だから離してくれと頼むが、
少し険しい顔のまま、喋らないジャック

ぽつり、

「、貴女は私の恋人でしょう?

それだったらもう少し頼る…というか
信用してくれても
いいんじゃないんですかねぇ…」

悲しげな声のジャック

の身体を支えていた腕を
ふわりと外し、棚からマグカップを取る

「前々から思ってましたけど、
もう少し食べた方がいいですよ。
軽すぎるからいつか倒れますよ、」

そういいながら作り終わった
暖かいエッグノッグを注ぐ

はい、どうぞとジャックから
飲み物を渡される

『あ、りがと』

さっきのジャックの悲しげな声が
頭から離れなくて、
少し気まずい


2人並んで、エッグノッグを飲む

『ん、おいしい…。
作ってくれてありがとう、ジャック』

彼の方へと目を向けながらお礼を言う

「お口に合って何よりです。
それより
、口の横についてますよ」

『んー?どこ?』

聞き返すと

ほら、ここ。
と言いながら、ジャックの顔が近づいてくる

ちゅ、彼の唇でついていたであろうものを
取られた

恥ずかしさがさっきの比じゃないくらいに
沸きあがってくる

自分でも頬に熱があるのを触らず
分かるくらいだから、相当だろう

『ジ、ジャック…心臓に悪い…』

「ふふふ、わざとですよ。
さっき私からすぐ離れようとしたから。
それのお返しです」

悪戯に笑うジャック
彼の行動に翻弄されまくりだ

やられっぱなしは性にあわない

ジャック、と彼の名を呼ぶ

「何です…っ?!」

振り返った彼にキスをする

『ん、お返しのお返しだよ』

にっこり笑いながら、エッグノッグを
飲む

恥ずかしがり屋の割には大胆だ、と
横目で見ながら
エッグノッグを口に含む

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