第4章 リッパー|ミルクとたっぷりのお砂糖
あの日の夜に彼女と会ってから
微妙に避けられている気がする
挨拶はしてくれるものの、以前のような
人懐っこさはない
……こうなれば
の部屋に手紙を置き
時間と場所を指定して呼び出す
約束の時間になったが、彼女はまだ来ていない
だめだったか、と落胆しながら
自室に戻ろうと、扉へと進む
トトトっ
ガチャっ
『お、遅れてごめんなさい…!はぁ…はぁ』
ドンっっ
突然勢いよく開いた扉に対応出来ず
頭をぶつけるリッパー
「く…
遅れたのは構いませんよ」
と自分の頭をさすりながら応える
リッパーの頭に扉をぶつけてしまった事に
漸く気づき、あたふたする
『ご、ごめんなさい…!
遅れた上に頭をぶつけてしまうなんて…』
しゃがんでいたリッパーの頭を撫でる
慣れないことに、少し動揺をするリッパー
「大丈夫ですよ、もう痛みも引きましたから」
そういって立ち上がる彼
やっぱりいつ見てもかっこいいんだなぁと
惚れ惚れしてしまう
「呼び出したのは、あの日のことを
聞きたかったからです」
やっぱりそうだよね、と内心ドキドキしてる
のを一生懸命落ち着けながら
リッパーを見ながら返事をする
『何を聞きたいんですか…?』
「私の事が好きですか?さん」
いきなり核心をつく質問に緊張が隠せない
『……は、はい。
好きです…』
ずっと前から、貴方のことが好きでした
と言葉に時折つまりながら、応える
沈黙はきつい…
ドキドキして心臓がはち切れそうなのに…
不安になり、段々と目頭が熱くなり
ぽろぽろ涙が零れる
「…!?
何故、泣いてるんですか?!」
目の前で珍しくあたふたするリッパーの姿
1度溢れ出した涙は止まらず
尚も零れ落ちる
『だ、だって…私今から
振られるんでしょ…?
だ、から…リッパーさん黙ってるんですよね?』
泣きながら彼を見つめる
はー…と深く溜息をつかれる
すると私の涙をハンカチで優しく
拭きながら
優しく落ち着いた声で
「違いますよ、寧ろその逆です。
私も貴女の事が好きなんです」
だから、呼び出したんですよという彼の
少し照れた顔を見ながら
嬉しさのあまりリッパーに抱きつく