第14章 仮説検証
*主人公side
『.......!』
気がつくと、目の前には白い天井が広がっていた。
あれ、ここはどこだ?
何してたんだっけ?
体育祭で、個人戦で、常闇くんと戦ってて....
『あっ、試合.........痛っ!』
勢いよく手をついて上半身を上げると、身体に痛みがはしる。
手足がピリピリと痺れている。
「目が覚めたかね」
『リカバリーガール....!ってことは、ここは医務室か....』
「そうさね」
『あーーーー......やってしまったあああぁ......』
状況を理解した私は肩を落とし、両手で頭を抱えた。
一番恐れていた事態が起こってしまった。個性の暴発だ。
「あんた、相澤くんから昔の話を聞かせてもらったよ。
もちろん、制御装置をつけるきっかけになった理由もだ。
それを外して戦うには、まだ器が未熟過ぎるだろう。
焦る気持ちもわかるが、体を壊してちゃ元も子もないよ。」
『....はい、返す言葉もないです.....』
「まぁ、ある程度は治しといてやったからね。
多少痛むところはあるだろうが、無茶した罰だよ。
それじゃ、私はちょっと出てくるから、少し休んでいきな。」
『ありがとうございます』
リカバリーガールは、厳しいながらも優しさを感じる労いのコメントを残して、医務室を出て行った。
そして、彼女と入れ替わるように、新たな来客が訪れる。