第14章 仮説検証
*爆豪side
「競技場の中央に立つのは——-あれっ、と、常闇?
一方、さっきまで攻めに攻めていた橘は、なんと倒れているぞ!
この一瞬で何があった!?」
状況を飲み込めない観客たちがどよめく中、
審判のミッドナイトが試合結果をアナウンスした。
「橘さん、戦闘不能!
常闇くん、3回戦進出!!」
「なっ.....えぇ!?嘘だろ!?
ついさっきまで余裕で勝ちそうだったじゃねーか!!」
「.....」
「あっおい爆豪!どこ行くんだよ!」
「うるせぇ。控え室だよ。
てめーらと違って勝ち進んだからな。」
「くっそマイペース野郎め!それは頑張れ!」
「切島素直かよ〜。爆豪、橘のこと心配なんでしょ〜!」
「うるせぇ黒目。
あんなやつどうなろうとも、俺には関係ねぇよ。」
「も〜、素直じゃないなぁ〜!!」
自分でもよくわからない感情だった。
無意識のうちに、ポケットの中で、あいつから受け取った制御装置を握りしめていた。
はやくあいつのところに行かねぇと——
柄にもなく、そう思った。