第14章 仮説検証
*爆豪side
「橘さん、自身の個性に関して、応用力はあるけど威力は上鳴さんに劣るとおっしゃっておりましたが——私はそうは思えませんわ」
「言ってくれるなよやおもも...
ぶっちゃけ、こっから見る感じ、俺の最大出力超えてんじゃねーかって思ったけどさぁ....」
「午前中の騎馬戦の時とはかなり様子が違うぞ。
橘くんも、まさかこんな力を隠していたとはな!」
クラスの奴らは能天気に騒いでいる。
どうやら誰も、リョウが制御装置を外していることに気付いていないらしい。
バカかこいつらは。
あの放電の量は——明らかに、異常だろうが。
「にしても.... 橘、飛ばしすぎじゃね?」
困惑を包み隠せないプレゼント・マイクの実況の直後、
事態は急展開を迎えた。
青白い光がバチバチと音を立てながらドーム状に広がり、リョウの姿を覆った次の瞬間——-
その光は何倍にも膨張し、会場全体に散った。
観客達は、あまりの眩しさに、思わず手で目を覆う。
会場が静まり返ったのも束の間。
数秒後、変わり果てた競技場の姿を受けて、観客たちはザワザワと騒ぎ始めた。