第2章 プロローグ
*緑谷side
「橘さんすげぇなぁ、可愛いだけじゃなくて個性も派手で...」
「あの爆豪にあの近距離で凄まれても全くビビってなかったしな」
「ずっと笑顔だったね。鬼のマイペース。」
「さすがの爆豪も調子狂ってたじゃん」
「わかる、あんな爆豪始めてみたわ」
放課後、いつもよりひときわ騒がしい教室。
それも無理はない。
話題の美少女転校生橘さんが、かっちゃんと一騒動起こしたのだ。
橘さん、雄英高校のヒーロー科に推薦入学するって言ってたな...
しかも電気系の個性、かなり派手でヒーロー向きだ...
あんな華奢な体のどこに力があるのだろう、無個性の僕なんかよりよっぽど強いんだろうな...
とりあえずさっき見たものを考察してメモしておこう...
いつも通り、"将来の為のヒーロー分析 #13" と表紙に書かれているノートに記入しようと手を伸ばした瞬間だった。
「あっ」
「ブツブツうるせぇんだよクソが。話はまだ済んでねぇぞデク。」
かっちゃんに荒々しくノートを奪われる。
...ああ、また始まってしまった。