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電撃少女はヒロインになりたくない

第2章 プロローグ


*主人公side



突然私の腕から放出された青白い光に驚いた悪人面の彼は数メートル後ろに飛んだ。
反応速度すごい。運動神経良いんだろうなぁ。


「てめぇ...電気系の個性か。うぜぇな。」


『もう、仲良くしたいから会いに来たのにー!普通初対面の相手にこんなことする?』


「だまれクソアマ殺すぞ!...まぁ、他の奴らよりはちったぁマシな個性持ってるみてぇだし、雄英のヒーロー科に行くってんなら、存在くらいは覚えといてやるよ。感謝しろや。」


『ほんと?嬉しい!橘リョウだよ!リョウって呼んで!もし君が雄英に進学したら記念すべき最初の友達だね!よろしくね!!』


「呼ばねぇよどアホ!もしじゃねぇよぜってぇ行くんだよ!なめんな殺すぞ!気安く手を握んなビリビリ痛ぇんだよクソが!!」


『ごめん、まだ個性の調整が苦手で...』


勢い余って手を握ったら怒られた。
とてつもない口の悪さだな...なんか野良犬みたい....。


『あ、お近づきの印に、自己紹介も兼ねて1つ教えてあげる!
気持ちが高ぶると今みたいに無意識に放電しちゃう癖があるから、普段は個性を抑えるために首にこれをつけてるの』


私は、首についている黒いチョーカーを指した。


『絶縁体、わかる?電気を通しづらい素材。これをつけとくと、個性が暴発しなくて済むんだ〜!なんかこういう自己開示いいね、友達って感じ!』


「はっ、自分の個性もロクに扱えないクソザコじゃねーか。雄英の推薦入学者もたかが知れてんな。」


私の欠点を知ると、彼は悪ガキのように口角を釣り上げる。
出会って数分、ようやく笑顔(仮)を見せてくれた。

『まぁいいや、友達になれたし。じゃあまた会おうね、えーと...』


「...爆豪勝己だ。俺の名前を忘れるとは何様だクソアマ。」


『勝己くんね!ありがとう!入試、健闘を祈るぜ!』


親指をグッと立ててみるも、彼は「てめぇに祈られるまでもねぇよ」と言い捨てて自分の席に戻ってしまった。
上昇志向が強い人は好きだ。なんだかプライドが高すぎる気もするけど。
なんてことを考えながら、私は鼻歌交じりに教室を後にした。





「...変な奴。」
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