第12章 心配性
*爆豪side
「──そして、対戦相手はヒーロ科の橘リョウ!
可憐な姿からは想像できない、いかつい戦闘スタイルに注目だぜ!」
『いかついって...
プレゼント・マイク先生、もっと良い紹介文あったでしょ...』
競技場に入場してきたリョウは、
昼休みに比べて顔色が良くなったように見える。
「さすがリョウ、ファンからの声援がはんぱねぇ...
にしてもまぁ、やっぱりあいつ、改めて見るとほんと美少女だよなぁ。」
「あ〜、俺らがさっきハグしたこと、会場の男共に自慢してやりてぇ」
切島と上鳴が言う通り、モブ共がやたら騒がしい。
...下らねぇ。
「緊張してるかと思ったけど、すっかり"戦闘モード"の顔してんな」
「戦闘モード?」
「授業で実践訓練した時に思ったんだけどさ、
なんつーか、戦う準備が整ったとき、表情が変わるっつーか」
「それわかるわ!
いつもより荒くなるというか...ちょっと爆豪っぽくなるよな」
「あ?それどういうことだクソ髪」
「わっかるー!スイッチ入ると、急に人のこと苗字で呼び捨てし始めるよね。
普段のふわふわしたイメージとのギャップ萌えっ!可愛い爆豪って感じ!」
「喧嘩売ってんのか黒目」
....そういえば。
あいつ、普段は勝己勝己うるせぇくせに、
さっき話した時は俺のこと「バクゴー」って呼んでたな。
「......チッ、心配損かよ」