第11章 証人
*主人公side
「リョウちゃん!遅いよ〜!!」
『ごめん、寄り道してた!
応援合戦まだ始まってないよね?』
私が競技場に着く頃、クラスの女子メンバー達は既に集合していた。
──私と同じ、チアガールの衣装を身に纏って。
「それがですね...橘さん、私達、すっかり上鳴さん達の策略にはまってしまったみたいですわ。」
肩を落として下を向くやおももを見て、
一瞬で状況を理解した。
ちょっと不自然だとは思ってたけど、
あの下心コンビの仕業か...!
「まぁ、いいんじゃない!?やったろ!」
『葉隠ちゃんに賛成!
午後の競技までずっと緊張しっぱなしなのも嫌だし、せっかだから楽しもうっ!』
本気で戦うからこそ、メリハリは大事。
1人でいても落ち着かないだろうし、次の競技までしっかり楽しむぞ!