第11章 証人
*爆豪side
『勝己』
「....」
『....ちょっと肩借りて良い?』
「.....................勝手にしろ」
『ふふ、ありがと』
リョウはクスクス笑いながら、俺の肩に頭を乗せてきた。
ほのかな良い香りが、ふわっと香る。
いつもは何も考えてなさそうなうるせぇクソガキだが、珍しく病人みてぇなツラをしている。
普段の授業でも個性を使用する場面は相当あったはずだが、ここまでの疲労状態は初めて見たな。
こいつの個性は、ゲームみてぇに、HPが減っていくタイプか。
にしても...
腕に足に腹と、こんなに露出の多い格好でフラフラしやがって、無防備にも程があんだろ。
『そういえば、勝己にお願いがあったんだった』
「肩貸してやってんのに、まだ何かあんのかよ」
『今更お願いが1こ増えたところで何も変わんないでしょ〜、誤差だよ』
「てめぇが言えたことか」
リョウの方を見ると、何やら首の後ろに手を回してゴソゴソと動いている。
そして──
俺に何かを手渡した。
『これ、預かっててくれないかな』
「!?お前、これ......っ!」