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電撃少女はヒロインになりたくない

第11章 証人


*主人公side



更衣室で衣装に着替え終わった私は、
個性の副作用の眠気と倦怠感に絶えながら、みんなが待つ競技場へと向かっていたのだが、道中で見知らぬ生徒達に声をかけられて足を止めた。



「あっ、橘さん!自分、普通科の○○って言います!
午前中の競技見てました!第3種目出場、おめでとうございます!
って、その服装....チアガール....!?」


『あはは、ありがとうございます〜!
これはちょっと、午後の競技のためにどうしても着なくちゃいけなくて、えへへ...』



「すっっっごい似合ってます!
実は、入学式からずっとファンで...!よかったら一緒に写真撮ってもらえませんか?」


『いやいや光栄です...私でよければ是非!』


「第1種目の戦闘スタイルがすごくかっこよかったです!
誰よりも派手に敵のロボットを壊してましたね!」


『はは...電気系の個性と相性良かったんですよ、ラッキーでした』




気付いたら周りに人集りができていて、
20人くらいとツーショットを撮影した。
私、何してるんだろう...



「ありがとうございます!午後も頑張ってください!」

「リョウちゃん、これからも応援してるよ!
体育祭が終わったら俺と遊ぼうね!」


『みなさんありがとうございます!
じゃ、ちょっと午後の競技の準備があるので失礼します〜!』




いい加減眠気に耐えられなくなった私は、自分に群がる野次馬達をくぐり抜けて、
人気のなさそうな場所を探してフラフラと歩き回った。

...が、ある角を曲がった途端、
体の力が抜けて膝から崩れそうになってしまう。



倒れる...!と思った刹那、
誰かに力強く腕を引っ張られた。




「おい、大丈夫か?」



よく聞き慣れた低い声。

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