第3章 スタートライン
*主人公side
下校時間。
駅に向かって歩いていると、クラスメイトを見つけたので声をかけてみた。
『お三方〜!』
「あっ、橘さん!ひ、ひさしぶり....!」
「今日の個性把握テストでめっちゃすごかった子や!
デクくん知り合いなん?」
「え、えっと....」
『そうなの!一瞬だけ同じ中学校に通ってたんだ〜!
まさか同じクラスにだなんて嬉しい!
あ、橘リョウです!よろしくね!』
「私、麗日お茶子です!
リョウちゃんよろしく!」
「飯田天哉だ。
よろしくな橘くん。」
ふわふわ浮かんでた可愛い子と、勝己と喧嘩してた真面目そうな子か。
うんうん、どっちも良い人そう!!
「リョウちゃん、ちょっと質問なんやけど....個性把握テストの時に、爆豪くんに言われてた首のそれ、なに?」
『あぁ....えへへ、お恥ずかしい話、個性の制御が苦手で。絶縁体っていう、電気を通しづらい物質でできた制御装置をつけてるんだ。』
「?!個性の.....制御.....!」
さっきまでおどおどしていたデクくんが、めずらしく反応した。
ヒーローの分析ノートを作っているくらいだし、人の個性の話に興味があるのかな。
『そうなの。感情が昂ぶると、意図せずに放電しちゃうことがあって。
だから、基本的に外さないようにしてるの。』
「なるほど....」
『それじゃあ私こっちだから、また明日ね!』
「またねー!」
元気よく腕を振るお茶子ちゃん、めちゃめちゃ可愛いなぁ。
良い友達になれそうな予感。