第3章 スタートライン
*爆豪side
初対面のときから、よくわからねぇ奴だった。
子供みたいに無邪気で、ずっと楽しそうに笑っていて、マイペース。
今までに会ったことのねぇタイプだ。
チビのくせに、俺が近距離で爆発させても、顔色一つ変えねぇくらい肝も座っている。
『せーのっ!』
能天気な掛け声と同時に、リョウの右手から青白い光が放たれた。
直後、凄まじい速さでボールが消えた。
電気の個性ってことは知っていたが...電圧で吹き飛ばしたのか。
ガキみてぇな見た目のくせして、いかつい個性を持ちやがって。
「橘、550メートル」
「なんつー個性だ...ボール焦げて半分なくなってるぞ...」
見た目から想像できないいかつい個性を目の当たりにして、
クラスのやつらも口を開けてアホ面してやがる。
クソナードのデクの奴、なんて顔してんだ。情けねぇ。
『あーあ、勝己に負けちゃった〜』
「ったりめぇだクソザコ!俺と張り合うなんて500億年はえぇんだよクソが!!!
悔しかったらその首輪外して出直してこい!!!」
『首輪って言うな、ペットじゃないんだから!』
マイペースで何を考えてるかわからねぇ奴だが、
どうやら俺に懐いてるようだし、いじめ甲斐はありそうだな。