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電撃少女はヒロインになりたくない

第3章 スタートライン


*主人公side


声の主はどうやら担任だったらしい。

アンニュイな雰囲気、無造作な髪の毛、鋭い眼光。
教師とは思えない悪人面だな...



「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」



今日は初日だし入学式やガイダンスのようなゆるふわイベントだけだと思っていたのだけど、なんと個性把握テストをするらしい。

唐突すぎるけど、日常生活で思いっきり個性を使用できる場面はあまりないから、ちょっとワクワクしてしまう。




「死ねぇ!!!」



先生からボールを受け取った勝己くんが先頭をきる。
声だけ聞いたら、まさかボール投げをしているとは思わないよね。

にしても、個性ありとはいえ、記録は705メートル...
さすが入試1位の実力者だな。




「なんだリョウ、ビビっちまったかぁ?」


『え、名前呼んでくれるの?嬉しい〜!
勝己くんいじわるだから覚えてくれてないかと思ってた〜!!』



初対面で自己紹介をした時、すごい勢いで「呼ばねぇ」と一蹴されたんだもの。
まさかこんなに自然に名前を呼んだもらえるなんて思わなかった。



「なっ...今その話はしてねぇだろうが、俺のボール投げの記録がすげぇって話をしてんだよクソ!!あと...」


『?』


「くん、って付けんな、女々しくて気色悪ぃんだよ。
そんな柄じゃねぇだろうがよ。」


『あー!いや、ヤンキーだから丁寧に呼んだほうがいいかなって!勝己、でいいのかな』


「誰がヤンキーだよなめてんのか殺すぞ!!!!」


「てめぇら騒がしいぞ。」




入学初日から先生に怒られてしまった。
とんだとばっちりだ。
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