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電撃少女はヒロインになりたくない

第19章 独占欲


*主人公side



男子生徒たちと入れ替わるように、デクくん達が近付いてくるのが視界に入り、私は咄嗟に焦凍から離れる。



「轟くん、橘くん!なにか揉め事か?」


「いや、たいしたことじゃねぇよ」


「そうか!なら良かった!
して、橘くん...顔が赤いが、どうかしたか?」


『えっ、なんでもないよ!赤いかな?夕日のせいだね、きっと!!』


「そうか...うん、そうだな!
今日は1日晴天だったものな!」



ああ、飯田くんが極端に鈍くてよかった。
私は、突然上がってしまった体温を下げるために、手で顔を仰ぐ。



「...大丈夫か?」



焦凍が片手を私の頭にのせて、顔を覗き込んできた。
綺麗なオッドアイに、自分の姿が反射しているのがわかるくらいの近距離。

わざとやってるとしか思えないのだけど、
なんの悪意もなく、自然にしているからこそ、より一層タチが悪い。



『...大丈夫だよ、帰ろ』


「....?」


私は、動揺しているのが伝わらないように、ぶっきらぼうに焦凍の手を払いのけた。
焦凍は不思議そうに首を傾げたが、何も言わずに私の隣を歩く。

──ああ、こんな時もやっぱり私は可愛くない。

照れ隠しでつい強がって、
自分のペースを取り戻すのに必死になってしまう。




**************


「あの2人、はよ付き合ったらええのに」


「麗日さん、なんか嬉しそうだね」


「えへへ...あの2人のこと見てるの、なんか好きなんよねぇ。
そういうデクくんこそ。」


「なんかさ、こうやって見ると、リョウちゃんも普通の女の子なんだなぁって。成績良くて個性も強くて、何でも余裕でこなしてるイメージだから。」


「....デクくんって、ピュアそうに見えて時々闇っぽいとこ出てくるよね」


「あっ、いや、そんなつもりじゃ,..!」


『デクくん、お茶子、どしたの?先帰っちゃうよ〜!』


「「ごめん、今行く〜!」」


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