第17章 隣の男
*緑谷side
「ほえ〜〜、あのA組を目の敵にしてる人やんな?コピーの個性の!
意外な組合せ!ってか、一緒に通学してるってことは、あの2人付き合ってるのかな?
リョウちゃんに突撃だ〜!」
楽しそうにはしゃぐ麗日さんはとても可愛いのだけれど、
横にいる轟くんから放たれる禍々しいオーラが怖くて、僕はうかつに発言できない。
「落ち着きたまえ、麗日くん。
男女のそういうことに、外野が口を出すのはいささか野暮じゃないか?
そっとしておこう。」
「む〜、それもそうか!
あとで教室で事情聴取だね!」
本音を言うと、事の真相が気になったのだけど、
飯田くんの理性的な助言もあり、僕たちはリョウちゃんに話しかけずに教室へ向かった。
ただ──何かがひっかかる。
リョウちゃんの隣にいた男性、確かに顔は物間くんのように見えたけれど、制服ではなく、スーツを着ていた。
それに、物間くんって、あんなに身長が高かったっけな。