第16章 女子会
*主人公side
「もー!爆豪と轟のどっちと付き合ってるのかって話だよ!」
『え、えええええっ!?!?
待って待って、何でそうなってるの!?
どっちとも付き合ってないから!!』
「私は爆豪くんに1票かな!
よく壁ドンされてるとこ見かけるしっ!」
必死に首を振って否定する私に、葉隠ちゃんが無邪気に追い打ちをかける。
『壁ドンって...!
勝己とはしょっちゅう喧嘩してて、最終的に私が力負けして壁際に追い詰められてるだけであって、そんなハッピーなものじゃないよ...!
人として好きだし尊敬はしてるけど...』
「でもあいつ、黙ってたら実はイケメンじゃない?」
『まぁ、それはわかるけど...容姿の良さが打ち消されてマイナスになるくらい性格がアレだからね...』
「私は轟さんがお相手かと思っておりましたわ。
あの方、授業中も露骨に橘さんの方を見ておりますもの。」
「あと、リョウちゃん相手だとよく喋るよねぇ」
『焦凍かぁ...確かに一緒にいる時間は長いし、仲は良い方だと思うけど、そういう目で見たことなかったなぁ...』
「あとさ、ウチこないだ見かけたんだけど、普通科のヤツとよく話してない?
体育祭で緑谷と対戦した、洗脳の個性の。」
『心操くん?』
「ああー!思わぬ刺客!確かに、あいつもシュッとしてるしイケメンだよね!」
『心操くん、は....えっと』
「おっと?なんか反応が違うぞ?これはもしかして」
『いや、違う違う!そんなんじゃなくて...!』
「顔が赤くなってきたわよ、リョウちゃん」
やらかした。
心操くんと親しくしているところを見られていたことが予想外で、思わず動揺してしまった。
これでは怪しまれるのも当然だ。
もちろん、心操くんに恋心を抱いているわけでない。
でも──
ある意味特別な感情を抱いていることは間違いない。