第12章 雄英体育祭
『彼女は薬を飲まないと力が暴走してしまうと言ってました。競争にゴールした後、何らかの原因で力が暴走してしまいそうになった。
それを防ごうとして今この状態になってしまったのだと思います。』
リ「じゃあ、薬を飲めば済む話ってことかい?」
『おそらく……』
リ「それじゃ、まずは薬を探す所だね。私はこのまま様子を見とくから、あんたは薬を探しにいってくれるかい?」
『わかりました。』
私は一旦部屋を出て葵くんのいた控え室に行った。控え室に入るとテーブルの上に紙袋と置き手紙らしきものがあった。
私は手紙を手に取り読んだ。
“葵へ
そろそろ薬がなくなる頃だと思うから、新しいの渡しとく。
アンタはすぐ無茶しようとするからね。体調には気を付けるんだよ。
ソフィアより”
紙袋の中には、カプセル型の錠剤が入っていて何処にでもありそうな薬だった。
私はそれをリカバリーガールの元へ運んでいった。
リカバリーガールは薬を彼女に飲ませると徐々に顔色が、呼吸が戻っていき今は穏やかな寝息を立てて寝ている。
それにしても、さっき手紙に書いてあった“ソフィア”という人が彼女が信頼している医師なんだろうか?
薬を持っているという時点でそうだと思うが……。
今は葵くんが無事なだけ良しとしよう。後は彼女から話してくれるのを待つだけだ。