第2章 邂逅
~葵 Side~
カ「私とお話ししない?」
そう聞いてきた。だから、
『それは、ご命令ですか。』
と、同じことを聞いた。すると、その人は笑顔で
カ「うん。これは、命令でもあるし、お願いでもある。」
と、言ってきた。私には、意味がわからなかった。命令とお願いを両方してきたからだ。けれど、命令である以上、従うしかない。意味など考えていたって私には、無駄なのだから。
『それでは、お話ししましょう。』
カ「本当!良かった~。オールマイトさんみたいに断られるんじゃないか不安だったんだよね~。」
『あれは、ご命令では無かったので』
カ「そっか…。じゃあ、私からいくつか質問してもいい?」
『かまいません』
カ「まずは、オールマイトさんが聞こうとしてたことなんだけど、さっきのあなたと一緒にいた人は、あなたの両親?」
『いえ、あの方は私の“今の”主です。』
カ「“今の”ってことは、昔は違う人だったの?」
『はい』
カ「その人、今はどうしてるの?」
『もう、この世にはいません』