第8章 個性把握テスト
ウチはスタートラインに立った。
大丈夫、イメージをする。向こうにいるイメージを。そのまま言葉を言えばいい。
深呼吸をし、前を見る。
『“行け”』
次の瞬間、ウチはもうゴールについていた。記録は
0秒00
「はぁ!0秒ってすごくね!」
「アイツ何者だよ!」
元の位置に戻ると百が近づいてきた。
八「すごいですわ!葵!最高記録を出すなんて!」
『そうかな?』
八「そうですわよ!」
両手グッと握りしめて力説する百に嬉しく思った。
そうして、次々と種目が行われていき、種目ごとにウチは最高記録を連発していった。
そして、次の種目ボール投げで出久が個性を使って投げようとしたら、相澤先生によって個性が消された。
相澤先生と出久が何かを話して2回目のボール投げが始まり、今度は腕全体ではなく指先のみに個性を発動させた。
発動させた指先は青く腫れ上がっていて、見ていても痛々しかった。
『出久!!何やってんの!ほら、治すから手出して!』
怪我をした出久の手を両手で包み込んで
『“治れ”』
と出久の手を治した。
緑「あはは…、ありがとう。葵ちゃん。」
『まったく、心配させないでよ。』
すると、勝己がこちらに向かって飛んできたが相澤先生によって止められた。