第5章 悲劇
~葵 Side~
私はオールマイトから貰った手紙を開いた。
“大好きな葵へ
この手紙を読んでいるということは、私がもうこの世にいないことだと思います。
あまり、手紙を書かないので慣れてませんが葵に伝えたいことがあって書きました。
まず、私が葵と出会った頃はただ、可哀想だと同情して、私の家族として引き取りました。
けれど、葵と過ごしているうちに、家族になってよかったと思いました。
葵が自分の過去を話してくれた時に、“ありがとう”と言ってくれたけど
お礼を言うのはこちらの方です。あの時、私と家族になってくれて、一緒に過ごしてくれてありがとう。
と、ここまで堅苦しくなっちゃったから、もう普段の調子で書くね!
葵には、ヒーローになってほしいな。葵しか助けられない人がいるから。
お友達大切にしてあげてね。絶対よ!周りを大切にしていたら、巡り巡って自分に返ってくるから。
もし、ヒーローになってヒーロー名を付ける時が来たら、その時は私が付けた“奏”っていう名前にしてほしいな。
あっ!後、葵の近くにあるであろう箱には私が作ったブレスレットが入っているの。お守りにしてね。
葵のこれからの幸せ未来を願って
鼎より”