第5章 悲劇
~葵 Side~
私は、目を覚ました。しかも、知らない部屋で。
すると、看護師さんらしき人が近づいてきた。
「あら、起きた?大丈夫?痛いところ無い?」
私は、そのまま黙ってこくんっと頷いた。
「そっか、よかった。
後ね、あなたに会いたいって言う人がいるんだけど、会ってくれるかな?」
また、私は頷いた。
「じゃあ、待っててね。今、呼んでくるから。」
そう言って、看護師さんはそのまま出ていった。私は、鼎姉が死んだことを思い出した。
何で、あの時個性を使うのを止めたんだ。
あの時、鼎姉の話を聞かず、無理矢理にでも治していれば鼎姉は助かったかもしれないのに…………。
そう思っていたら、扉が開いた。