第5章 悲劇
~オールマイトSide~
隣から、女の子の大きな泣き声が聞こえたと、知らせが入った。
私は急いでその場に向かった。何故ならその場所は鼎くんの家だったからだ。
鼎くんの家に入るとそこには、血塗れの鼎くんと鼎くんを抱き締めた葵くんがいた。
鼎くんは息をしておらず、全身が冷たくなっていた。葵くんは、まだ体温があったため気絶しているだけだと分かった。
私が、もっと速く来ていれば鼎くんを助けられていたかもしれないのに……。
葵くんに悲しい思いをさせずに済んだかもしれないのに……。
そう思っていると、警察の方々が来た。私は、葵くんを預けた。
数日後、鼎くんを殺した者を逮捕したらしい。その者はヴィランで“無個性のくせにヒーローを気取ってる所がムカついた”という理由で殺したらしい。
私は腹をたてたが、そんなことよりも葵くんのことが心配だった。
あの後、葵くんは病院に搬送され今朝、目が覚めたのだと聞いた。
私は、葵くんに会いに行くことにした。鼎くんが書いた手紙とある箱を持って。