第4章 出会い
そして、私と鼎とオールマイトは、夕飯を食べ終えた。
話す順番はどうしようと思っていたら、私から先に話していいとオールマイトが言ってくれた。
『えっと、話したいことっていうのは私自身のことなの…』
普段なら、スラスラと喋れるのに今は言葉が詰まって出てこない。それでも、オールマイトと鼎は私が話すまで待ってくれた。
『私は、本当は人間じゃないの。
私の種族は、死神族と呼ばれていて、かつて、人によって滅ぼされたの。
両親もいた。血は繋がっていないけど、兄弟もいた。
けれど、両方とも私の目の前で死んで
私には、それが耐えられなくて、自分自身を、感情を、殺した。
それから、私は人形になって、私を拾ってくれた人の言うことずっと聞いてきた。
人形になったら、もうあんな悲しい思いをしなくて済むから
殴られても痛いって思わないから、辛いって思わないから
感情を見せてしまったら、その人は私の目の前で死んでしまうから
ずっと、ずっと怖かった。誰かが死ぬのが。
ずっと、ずっと恐かった。“お前のせいで、あいつらが死んだんだ”って言われることが。
けれど、鼎やオールマイト、いーくんやかーくんに出会えて
感情を教えてくれて、毎日が楽しくなっていった。
だから、ありがとうオールマイト、あの時、私と出会ってくれて
ありがとう鼎、あの時、独りぼっちで寂しかった私を見つけてくれて』