第4章 出会い
私が話し終え、鼎は号泣していた。そもそも、私が話している途中にも泣いていたが、それよりもさらに涙を流していた。
鼎「ぐずっ……う……ん、ぞっか、話じてくれで、ありがどう……ぐずっ、ぐずっ」
そう言いながら、私を抱き締めてくれた。やっぱり、鼎の腕の中は安心する。
オ「奏くん、話してくれてありがとう。実は、私が話そうとしたことは、その事だったんた。だから、君の口から話してくれて嬉しかったよ。」
『そうなの?』
オ「あぁ。」
鼎は私を離して、ティッシュで鼻をかんだ。
鼎「奏には、両親いたんだよね?だったら、本当の名前もあるんじゃないの?」
『あるには、あるけど…。私は自分の名前が好きじゃない。』
鼎「でも、教えてほしいな。それに、名前なんて少しずつ好きになっていけばいいから。」
『椿 葵……』
鼎「葵…。いい名前じゃない!ね!オールマイトさん。」
オ「そうだな。これからは、葵くんと呼ばせてもらうよ。」
鼎「あっ!オールマイトさんだけズルいですよ。私も葵って呼ぶね。」
『えっと……じゃあ、よろしくお願いします?』
オ・鼎「「あぁ。/うん。」」
その後、私の個性のことについても話した。
二人は驚いていたけど、別に怖がったりはしなかった。鼎には、むしろ羨ましいと言われたぐらいだ。
そして、オールマイトは帰っていって、私と鼎は眠りについた。
幸せだった。けれど、忘れちゃいけなかったんだ。
自分が何者であるのかを。