第3章 名前
その間にもカナエさんは指を切りそうになったり、さっきと同じ様な火事が起こりそうになったり、出来た料理を運ぶ時に転びそうになったりと様々なことが起こった。
それでも無事、料理が完成し、私とカナエさんの前に出来立ての料理が置かれた。
カ「いただきます。はふっ、う~ん!美味しい!ほら、あなたも食べて食べて。」
『いただきます。』
そう言って、一口食べてみた。まともな食事もしてこなかったので、とても美味しかった。食べ進めてみたら、カナエさんがこちらを見ていたことに気づいた。
『どうされましたか?』
カ「あっ、いや、味はどうかな~って思って」
『美味しいですよ。』
私はこの時いつの間にか笑っていて、カナエさんはそんな私を見て
カ「かっ、かっ、かわいい~!」
と言って、私を抱き締めた。この人の腕の中は、温かくて安心する。この人なら、私の感情を見せてもいいのだろうか。また、失ってしまわないだろうか。そう考えていると
カ「あっ、ごめんね。さぁ、速く食べちゃお。」
そして、料理を食べ終え、次にカナエさんは
カ「よしっ、じゃあ次はお互いの自己紹介しよっか。」