第3章 名前
~葵Side~
『う…………ん……?』
目が覚めたら、知らない場所にいた。なぜか、ベッドの中に寝かされていた。すると、ドアが開けられ
カ「あっ、目が覚めた?ちょっと待ってて今何か作るから。」
そう言ってそのまま何処かに行ってしまった。私はここに至る経緯を思い出した。
そういえば、私はあの人の腕の中で眠ってしまったんだ。
そう思い出していると、キャーという悲鳴と焦げ臭い匂いがした。私はベッドから降り、その場所まで近づいてみると今にも火事が起こってしまいそうな火が目の前にあった。
カ「ちょ、ちょ、どうしよう!?急いで火を消さなきゃ家が燃えちゃう~!」
そう言って消火活動をしていた。
カ「ご、ごめん!手伝ってもらえる?」
私に言ってきたので、近くにあった手頃な布を水で濡らし、火の方へ投げ
『“大きくなれ”』
そう言うと、布は火を包み込むぐらいに大きくなり火に覆い被さった。火は消え家が燃えるという事態は防いだ。
カ「はぁ~、あなたのお陰で助かったよ。ありがとう。」
『ご命令なので、お礼を言われる必要はありません。』
すると、その人は困ったように笑い
カ「あはは…そっか。でも、助かったのは事実だからお礼を言わせて。」
と言った。私には、理解が出来なかったがその人は何かを思い付いたかのように、手を打ち
カ「そうだ!あなたも一緒に作りましょ!私、ドジばっかりするから。それに、一緒に作った方が絶対に楽しいに決まってるから。」
私の手を取り、強制的に“一緒に料理”というのが始まった。