第13章 職場体験
『……?、……何でしょうか。』
ス「葵、“変わる”と“見ないフリ”は違うぞ。」
ステインは真っ直ぐウチを見る。
ス「あいつらと話しているお前は椿 葵なんだろう。だが、今話していたお前も椿 葵だ。」
『……っ、それは一体……』
ス「お前はお前だ。椿 葵。昔も今も。
お前がどういう過去を過ごしてきたかは知らない。お前が今どう過ごしてきたかも知らない。
だが、お前の中にある存在をお前自身が見ないフリをしていると、いつか苦しむハメになるぞ。」
『……………………』
ウチを見透かすように言う言葉に、喉が詰まって何も言えなかった。
『そ、……そうですか……。ご忠告、感謝します………』
ウチはステインから逃げるように出久達の元に戻った。