第37章 あっぷる
深い
ふかい
海の中にいるようだ。
「あっ、あの」
「なんだね」
「近すぎませんか?//」
お互いの鼻先が当たるぐらい見られていた。
「····近い。これが近いのか?」
「?!(これが基本なの!?)」
「君の瞳、欲しい」
「は?」
「···私はコレクター」
(コレクター··確か澁澤さんの異名みたいな名前って聞いたな)
「私が欲しいものは霧で隠す」
もわっ
「?!(霧が!?)」
「だから君の瞳を。私にくれないか?」
「···はい、なんて言いません。」
「······」
「先ず目を欲しがるのは勝手にどうぞ。でも貴方は···怪我人なんですよ?···お願いですから、これ以上怪我をしないで。」
ふわっ···。
霧が晴れてゆく。