第37章 あっぷる
「すごく綺麗な色した目だなーー···ってすみません!」
「···この赤い目が綺麗だなんて。君の目はおかしいね」
「おかしくありませんよ。澁澤さんの目は赤。私の目は···ほら深い海色してますからね」
「·····海色」
初めて知った色
今まで集めた宝石よりもキラキラして···
すっ
「澁澤さん?」
「もっとみたい。···その深い···ぐっ」
ずきっ
「いきなり動いちゃいけませんよ!、血が滲んでますから」
素早く血止めをして包帯を巻いていく。
コトッ
「これは鈴です。何かあれば鳴らしてください。失礼しました」
くん
「待ってくれ」
「どうしました?」
「目を。見てない」
「~~···っ。起きますか?」
あまり起こしたくない。
だけどその目は本気だ
ゆっくりゆっくり起こす。
すっ··。
じーーーーーーー···。
(深い···深い海色)